旧世代の人たちが淘汰される時代が始まったよ

アクセス解析エンジニア・兼・クリエイターの僕としては、強みが一個だけあります。
それは、コンテンツ制作の表も裏も読み解けるということ。

で、2010年になってようやく時代が変わりつつあることを実感し始めました。
ナウシカでいうと、「風が止んだ」ことに人々が気づき始める頃です。

進化の始まり

コトの始まりは5年前、2005年くらいのWeb制作。
「prototype.js」というjavascriptライブラリが広まり出して、それまで「デザイナー」と「コーダー」の仕事だったUI制作が、徐々にプログラマの仕事に移り始めた頃。

2000年~2003年くらいの、古いWebデザイン(テーブルでレイアウトするコーディング)が徐々にセマンティックであること(=SEO)に重きを置き始めて、どうやらWebデザインは「見た目のデザイン」そのものではなく、「情報のデザイン」であることをデザイナーが認めざるを得なくなってきました。

Flashも変わった

それから、2006年のActionScript3。
HTMLコーディングが「デザイン」と「マークアップ」と「プログラミング」に分かれたように、Flash作成も「UIデザイン」と「モーションデザイン」と「プログラミング」に分かれ始めました。

その時期、「Flasherは生き残れるのか」みたいなネタが話題になり始めました。
それまで感覚でモノを作ってきた「デザイナー」たちは、より高度な要求に応えられるレベルが必要になりました。
一部のデザイナーは、ホントにクリエイティブだけを作る「見た目のデザイン屋」になり、また一部のデザイナーは、マークアップやプログラミングを外部と連携して作る「チーム体制」を築き始めました。さらに一部のデザイナーは、それでもテーブルレイアウト(=PhotoshopでのスライスをそのままHTMLとして納品するスタイル)を貫き続けました。

ブログブーム

さらに2005-2006年くらいのブログブームが、例の「情報の高速道路」をあっという間に整備してしまいました。
最新技術と情報が生まれては消える感覚が早まり始め、ついに「テーブルレイアウト」は事実上、淘汰されました。
しかも、このあたりからコンテンツ制作を頼む側(クライアント)もITリテラシが高まり始めました。つまり、低予算で高レベルな納品物が必要になり始めました。加えて、Googleからアクセス解析ツール「Analytics」が無料でリリースされました。

どっちに行くか?

作る側は、この時点でいくつかの選択を強いられました。
・「デザイン」を極めるか、

・「マークアップ」と「プログラミング」を身に付けるか、
・「プログラミング」を専門にするか、
・「企画屋」となって上流に進むか、
・よく分からないアクセス解析に賭けるか、
さらには、「まだ未整備なモバイルの分野に進むか」です。

じわじわと時代が変わっていく

そして、2009年、そんなクリエイターたちの心の拠り所であり定期的なお布施をすべき神の社であるAdobe社が、ある企業を買収しました。
オムニチュアです。そのこと自体は、大きなインパクトもなく、日々のニュースに流されていきました。
さらに時間が流れ、2010年初夏。
AdobeからCS5ファミリーが発売されました。AppleからiPadが発売されました。Googleの(?)Androidスマートフォンが立て続けにリリースされています。
この時点で、死を予告された人たちがいます。
「紙」のデザインを専門にやってきた、「写植もできるデザイナー」です。今までの話の流れからなんでいきなり?と思いきや、それはiPad登場の衝撃でした。
紙の本がなくなるから仕事がなくなる、という単純な話ではありません。
要は「デジタルコンテンツとして読めない本は価値がない」という思想です。それは、見た目のレイアウトだけをキッチリしていればよかった紙の時代に変わって、縦にしたときも横にしたときもレイアウトが崩れず、さらにデジタルパブリシングとしてその意味合いを失わないことが求められるようになったことです(段組とか音声読み上げとか)。まさに、「テーブルレイアウト」が「セマンティックマークアップ」に切り替わったのと同じ現象がおきているのです。

だけど、それだけじゃありませんでした。
なんとかこの5年で生きる道を身に付け始めた2005年のデザイナーたちは、さらに高いレベルが必要になってきました。
意外と身近になった「アクセス解析」のせいで、です。
「2009年はアクセス解析元年」みたいなことを誰かが言っていたのを横目で見ながら仕事を続けられたのも、もう終わりかもしれません。
それは、今までが「クライアントの満足」だった「納品物のクオリティ」が、「カスタマーに対する効果」に変わり始めたんです。
つまり「カッコいいサイト」を作ればオッケーだった仕事が、いつのまにか(たぶんもう広告関係の仕事をしてれば気づいてると思うけど)「コンバージョン率が高いサイト」を作ることが求められるようになっていたんです。

作り方も変わった

オレオレコーディングをしてればよかった時期はとうに過ぎ去り、今では、SEOによいとされるコンテンツ作りが必要とされ、プログラミングに影響を与えないマークアップが求められ、コンバージョンに効果があるクリエイティブを作ることでしか、生き残れなくなってきました。

さらに加速する

iPadとCS5の登場で、それらはさらに加速すると、個人的には踏んでいます。

制作じゃなくてよかった。俺、アクセス解析屋でよかった、と思ってる人がいたら、たぶん5年後には仕事なくなってますぜ。
クリエイティブと効果測定・改善の境目が消え始めています。効果に対する期待も時間もシビアになっていくと予想されます。

じゃあ、次のキーワードは?次の5年を生きるために必要な(スキル|立ち位置)は?
一応、僕の中では仮説が出来始めました。
たぶん「スキルじゃ対応しきれない」と思ってます。
どんどんアタリマエになっていく「解析」はツールのバージョンアップによって、僕らアクセス解析担当の仕事じゃなくなっていきます。逆に、クリエイターたちもツールのバージョンアップによって解析のスキルを身に付け始めます。
あと1年くらいは今のままでいけるかもしれない。

その間に、次の場所に移っておかないとね。
「もしも身に付けるスキルより、アプリのバージョンアップの方がスピードが速かったら?アプリのバージョンアップが進化したら、その行為はどうなる?」

たぶん、その先の次の未来ではもう1回「デザイン」だとか「制作」っていうレベルにモノゴトが落ち着くと思うけど、少なくとも今からあと5年は生き残らないとそこに到達できないと思うんだよなー。

なんつってね。

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