nanapiリニューアルは単なるモダン化じゃなくて綿密に計算されたユーザ行動のリデザインだった

あのnanapiが2011年4月にリニューアルして、やれモダンだ、やれHTML5だ、やれFacebook連携だともてはやされてましたが、うーん、そういう話じゃなくね? だってあの(計算高い)nanapiがだぜ、そんなデザインやソーシャル連携の話題性のためにわざわざ手間のかかるリニューアル作業をするだろうか? と引っかかっていたのですが、1か月ほど経ってようやく分かりました。

ビフォーアフター

beforeafter

モヤモヤしていた部分は3つ。

1.Facebook連携

ソーシャル連携に振り切ったとしても、そもそもFacebookユーザがまだまだ少ない(特に一般ユーザ、ITリテラシ低めのユーザは外国のサービスだと思って怖がってるような段階だったり映画の中の話だと思ってたりする)状態で振り切ることのメリットって何だ? 話題性だけだとしたら、リテラシの低いユーザやはてブすることがメインだった流行りもの好きを切り捨てたってことか? と、思ってました。

2.HTML5化

これも同じで、ITリテラシの低いあるいは中程度(つまりIEを使っているユーザ層)をバッサリ切り捨てたのと同じじゃね? ライフレシピとか言いながらそんなに偏っていいんだっけ、ていうかhtml5.jsを使ってるけどそれ自体がHTML5に完全以降するのが難しいよって言ってるようなものだし(まぁ、リニューアルが先に決まってたんだとしたらいまさらXHTML1.0で組むのもアレだしなぁとは思うけど)今の時期に振り切るメリットは何?

3.ベンチャーキャピタルから3億円調達

半年ほど前の話ですが、一部で話題に上がりましたね。
http://togetter.com/li/74000
なんだかまとめ。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1011/29/news087.html
「来年末までに月間PV1億、記事数15万本を目指している。」現状はPV500万。1億にするにはジャンプアップする必要がありますね。

http://blog.livedoor.jp/kensuu/archives/51468400.html
社長のブログはモダンだモダンだとしか言ってなくて、普段のツイートから垣間見える小賢さがあまり伝わってこない。いや、そういう時もあるけど。

仮説

1.お金を出してくれたVCへのポーズである
2.さらなるサイト活性化の布石である
3.アクセス停滞していたから話題作りを投げてみた

こたえ

結局はこれが言いたいがためのエントリなんですが、ユーザの行動をデザインしたリニューアルだった、ということじゃないかなあ。
サイトが小奇麗になったとかそういうレベルの話じゃない。ユーザにとって、「nanapiはFacebookと繋がってるから、Facebookに登録していいねボタンを押すことがあなた自身のメリットになるしサイト活性にもなるよ」っていうことでした。つまり、面白い記事を見つけたユーザがはてブしたりツイートしたりして分散していたコンテンツのストリームを、「Facebookのいいねボタンを押すこと」という明確な一点に集中させることが目的なのでは、と思いました。

ということは、Facebookユーザのタイムライン?にはほぼ毎日何かしらのnanapi記事へのいいねが上がるわけで、それによるnanapiサイト本体へのアクセスが向上するのは当然のことでした。
僕はFacebook使わないし登録してないから感覚は分からないんだけど。

SEOよりFacebookを選んだ

つまり、SEOはどうせなんとでもなるから、それ以上のアクセスを稼ぐにはTwitterじゃなくてFacebookだよね! Facebookユーザが少なくても今まではてブしていたユーザやツイートしていたユーザはどうせそのままの行動を取るだろうから、やって損になることはない(リニューアルコストは除いて)し少なくとも今と同じかそれ以上のアクセスが見込めるからやっちゃおうぜ!、ということなのでした。

ユーザの行動をデザインするというとIDEOが有名です。売れるプロダクトを作るために、徹底的にユーザの行動を観察するのが彼らのやり方です。おそらくnanpiスタッフは、ていうかあの社長は、それを徹底的に考えた。で、サイトの価値を高めるためにユーザの行動を一点に向けるという答えを得た、それがFacebookだったんだよ!――というカラクリです。
(ここにキバヤシの絵)

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

というのはすべて僕の妄想ですが、解析屋視点で見ると、デザインやアクセシビリティやコンテンツ整理のためのリニューアルよりは一歩も二歩も進んでいる判断だなぁ、と感じた次第です。

この記事はスポンサーの提供を受けています、というわけではないよ

お金もらって書いてます! だってそれがnanapiワークスだもん!って書けたら面白いけどそうじゃないよ。